ワンダと巨像

wander
★★★★★★★★★☆9
Sony Computer Entertainment Inc./2005/10/27

  広大な台地を愛馬で駆けるゲーム。ICOを作った制作チームの新作タイトル。ICO製作チームが作っているが、決してICOではないのでご注意。私自身、「ICO」を期待して買ってしまいましたが。
  相変わらず遠景は綺麗です。近場のテクスチャが粗いのも相変わらず。稀に落とした木の実などが地面に埋まるのがなんとも切ない。ゲーム内容は 「大地を駆け回り巨像を倒す」 の繰り返しで、ICOのような、先に進む為の簡単な謎解き要素などは一切ありません。これではボリュームが足りないのでは……とも思ったけど、2週目3週目を考えると、巨像を倒す事に焦点を絞ったこのゲームバランスは絶妙。巨像の攻略はそれ程難しくはありませんでしたね。物語が後半に進むほど、操作にも慣れてくるので難なく倒せるようになります。逆にこの辺が物足りなさを産んでいるような気がしますが……。

  不満なところは、愛馬との絆を深めるようなイベントが無かったこと。確かに愛馬が居ないと倒せない巨像も居るんだけど、その数が余りにも少なすぎる。 ICOはそれこそヨルダの手を放してはダメって思える演出などが良かったんですが今回の愛馬は、単に移動手段って感が否めない。

  ストーリー性は皆無。というよりはICO同様放置なので自分で補間する必要があります。エンディングは賛否両論ありますが私はグッドエンドだと思いました。しかしハッピーエンドじゃなかったのは残念です。ICOのようにクリア後にホッとするような、人の温かみを感じるような、ほのぼのとした気持ちにはなれませんでした。そういう意味では達成感のようなものを感じる事が出来なかったです。
  エンディングで映る祠の上層部には、ゲームを何週もして握力を上げつづければいけると思います。2週目で握力ゲージを引きついでいるし、ゲージの大きさが上がらなくなっても握力が上がっているエフェクトもあるので問題はどこまで上がるかですが…誰か試してみてー。
  エンディングを見ると、やっぱりICOの世界と繋がっているんだなと思いました。まぁ、大地に眠る遺跡の文明や、ワンダの衣装で一目瞭然なんですがね。エンディングを見るとそれが確信に変ります。が、それゆえにある矛盾が発生する事に…。小説の設定が……(´Д⊂